公開: 2026-04-13

更新: 2025-01-22

目次

ShockFlanger

ShockFlangerのスクリーンショット

ShockFlangerは、フランジャーの構造をしたディストーションで、ギターアンプのような音が出ます。内部はスルーゼロフランジャーに近く、フィードバック経路に配置されたサチュレーターと、オーディオレートでのディレイ時間変調の組み合わせで歪みが出ます。

サチュレーターにおける 4 次の逆微分アンチエイリアシング (ADAA) や、 256 タップの可変 FIR によるディレイ時間変調のアンチエイリアシングによって、それなりにクリーンな歪みになっていますが、 CPU 負荷はとても高いです。

警告

大音量。ShockFlangerの後段に必ずリミッターを配置することを推奨します。

Saturation Type の一部のオプションは Saturation Gain を上げると +100 dB を超える振幅を出力するおそれがあります。

Feedback 0Feedback 1 が高い状態で More Feedback を有効にすると発振するおそれがあります。発振とは入力が無音でも音が止まらなくなる状態のことです。

Audio -> Time 0Audio -> Time 1 の量が多いと、破裂音のようなノイズが発生するおそれがあります。

Feedback Gate は、しきい値が固定です。 S/N 比が低い信号を扱うときは前段に別のゲートを配置することを推奨します。

クイックスタート

基本のレシピを示します。

フランジャー

  1. Feedback 0Feedback 1 を上げる。
  2. Delay Time 0Delay Time 1 を決める。 1 ~ 10 ms 。
  3. LFO Rate を下げる。 8 前後。
  4. Flange Blend を決める。
  5. LFO -> Time 0LFO -> Time 1 を決める。 1 以下。
  6. 歪みを避けるなら Saturation Gain を下げる。

ディストーション

ShockFlanger は以下のようなエフェクターチェーンに組み込むことを想定して作られています。

イコライザー → ShockFlanger → イコライザー → コンボルバー (キャビネットのインパルス応答)

以下は歪みのレシピです。

  1. Feedback 0Feedback 1 を上げる。
  2. Delay Time 0Delay Time 1 を決める。
  3. Audio -> Time 0Audio -> Time 1 を上げる。
  4. Saturation TypeSaturation Gain を変える。

以下は歪みの微調整に関わるパラメータです。

音の高い部分がザラザラとしすぎているときは Lowpass を 10000 Hz 前後まで落とすことを検討してください。原則としては ShockFlanger 側の歪みを抑えて、キャビネットのインパルス応答で落とすほうが自然な質感になります。

Highpass は歪みの特性を変えることに特化した配置になっているので、直流を落としきれないことがあります。外部のイコライザーを活用してください。

入出力

計器

パラメーター

∴ (その他)

Invert Wet
処理された信号 (wet) の位相を反転。
2x Sampling
2 倍のオーバーサンプリング。有効時は CPU 負荷倍増。高域の特性が変わる。
More Feedback
有効時は Flange Blend0.0 より大きいときにフィードバックを増加。有効時は Feedback Gate あるいは外部ゲートとの併用を推奨。
Feedback Gate

入力信号がしきい値以下のときにディレイのフィードバックを 0 に落とすゲート。しきい値はおよそ -26 dB 。 Saturation Gain が 0 dB より小さいときは、しきい値が下がる。

feedbackGateThreshold = 0.05 * min((Saturation Gain), 1.0).

Mix (ミックス)

Dry
バイパスされた入力信号のゲイン。
Wet
処理された信号のゲイン。

Saturation (サチュレーション)

Saturation Type
サチュレーションのアルゴリズム。
Saturation Gain
サチュレーター段の前に適用されるゲイン。

Delay & Feedback (ディレイ & フィードバック)

Delay Time 0
ディレイ 0 のディレイ時間。ミリ秒 (ms) 。
Delay Time 1
ディレイ 1 の相対的なディレイ時間。 Delay Time 0 に対する比率。
Input Blend
1 チャンネルあたりに備えられた 2 つのディレイへの入力比。 ShockFlanger はステレオで動作するので 2 * 2 の計 4 つのディレイを持つ。 Input Blend は左右のチャンネルで同じ値が使われる。
Flange Blend

スルーゼロフランジャーとフィードバックディレイネットワーク (FDN) の切り替え。

  • 0.0: サイズ 2 の FDN 。
  • 1.0: スルーゼロフランジャー。
Flange Polarity
スルーゼロフランジャー経路のフィードバック極性。値が正確に -1.0 または 1.0 でなければ、全波整流された信号がミックスされる。
Feedback 0
Feedback 1
ディレイ 0 および ディレイ 1 へのフィードバックゲイン。
Lowpass
Highpass
フィードバックループ内のフィルターのカットオフ周波数。

LFO

Tempo Sync.

LFO の同期モード。

  • Phase: ホストの再生時刻 (transport) に位相を同期。 LFO Rate 変更時にノイズが生じる。
  • Frequency: ホストの BPM に周波数を同期。位相はフリーランニング。 LFO Rate をオートメーションするときに適当。
  • Off: 同期速度を 120 BPM に固定。位相はフリーランニング。
LFO Rate
LFO 周波数。単位は拍(beats)。同期速度は Tempo Sync. の設定に準じる。
Initial Phase
LFO の初期位相。
Stereo Phase
左右の LFO の位相差。
Reset LFO Phase
押し続けることで LFO を Initial Phase にリセット。

Modulation (変調)

ここでは入力信号とフィードバック信号によるディレイ時間の変調のことをオーディオ変調と呼びます。

LFO -> Time 0
LFO -> Time 1
LFO によるディレイ 0 のディレイ時間の変調量。単位はオクターブ。
Tracking
LFO によるディレイ 1 のディレイ時間の変調量。単位はオクターブ。
Audio Mod Mode

オーディオ変調を行う信号をクロスフェード。

  • 0.0: サチュレーターを通った入力信号。
  • 1.0: ローパスフィルターを通ったフィードバック信号。
Viscosity LP
オーディオ変調に使われるフィードバック信号が通るローパスフィルターのカットオフ周波数。 Audio Mod Mode が 0 より大きいときだけ有効。
Audio -> Time 0
Audio -> Time 1
ディレイ時間に対するオーディオ変調の強さ。
Audio -> AM 0
Audio -> AM 1
オーディオ変調信号によるフィードバック経路内での振幅変調 (AM) の深さ。

MIDI

Receive Note
MIDI ノートの受信を切り替え。
Note Pitch
MIDI ピッチによるディレイ時間の変調量。
Note Gain
MIDI ベロシティによるサチュレーター前段のゲインの変調量。

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