
ShockFlangerは、フランジャーの構造をしたディストーションで、ギターアンプのような音が出ます。内部はスルーゼロフランジャーに近く、フィードバック経路に配置されたサチュレーターと、オーディオレートでのディレイ時間変調の組み合わせで歪みが出ます。
サチュレーターにおける 4 次の逆微分アンチエイリアシング (ADAA) や、 256 タップの可変 FIR によるディレイ時間変調のアンチエイリアシングによって、それなりにクリーンな歪みになっていますが、 CPU 負荷はとても高いです。
警告
大音量。ShockFlangerの後段に必ずリミッターを配置することを推奨します。
Saturation Type の一部のオプションは Saturation Gain を上げると +100 dB を超える振幅を出力するおそれがあります。
Feedback 0 と Feedback 1 が高い状態で More Feedback を有効にすると発振するおそれがあります。発振とは入力が無音でも音が止まらなくなる状態のことです。
Audio -> Time 0 と Audio -> Time 1 の量が多いと、破裂音のようなノイズが発生するおそれがあります。
Feedback Gate は、しきい値が固定です。 S/N 比が低い信号を扱うときは前段に別のゲートを配置することを推奨します。
クイックスタート
基本のレシピを示します。
フランジャー
- Feedback 0 、 Feedback 1 を上げる。
- Delay Time 0 、 Delay Time 1 を決める。 1 ~ 10 ms 。
- LFO Rate を下げる。 8 前後。
- Flange Blend を決める。
- LFO -> Time 0 、 LFO -> Time 1 を決める。 1 以下。
- 歪みを避けるなら Saturation Gain を下げる。
ディストーション
ShockFlanger は以下のようなエフェクターチェーンに組み込むことを想定して作られています。
イコライザー → ShockFlanger → イコライザー → コンボルバー (キャビネットのインパルス応答)
以下は歪みのレシピです。
- Feedback 0 、 Feedback 1 を上げる。
- Delay Time 0 、 Delay Time 1 を決める。
- Audio -> Time 0 、 Audio -> Time 1 を上げる。
- Saturation Type 、 Saturation Gain を変える。
以下は歪みの微調整に関わるパラメータです。
音の高い部分がザラザラとしすぎているときは Lowpass を 10000 Hz 前後まで落とすことを検討してください。原則としては ShockFlanger 側の歪みを抑えて、キャビネットのインパルス応答で落とすほうが自然な質感になります。
Highpass は歪みの特性を変えることに特化した配置になっているので、直流を落としきれないことがあります。外部のイコライザーを活用してください。
入出力
- 1 ステレオ入力 (2 チャンネル)
- 1 ステレオ出力 (2 チャンネル)
- 1 MIDIまたはノートイベント入力
計器
- 左中: LFO の位相。
- 左下: ピークメーター
- Pre-Sat.: サチュレーター前段の振幅。
- Output: 出力振幅。
- 中央下: ディレイ時間。
パラメーター
∴ (その他)
- Invert Wet
- 処理された信号 (wet) の位相を反転。
- 2x Sampling
- 2 倍のオーバーサンプリング。有効時は CPU 負荷倍増。高域の特性が変わる。
- Feedback Gate
入力信号がしきい値以下のときにディレイのフィードバックを 0 に落とすゲート。しきい値はおよそ -26 dB 。 Saturation Gain が 0 dB より小さいときは、しきい値が下がる。
feedbackGateThreshold = 0.05 * min((Saturation Gain), 1.0).
Mix (ミックス)
Saturation (サチュレーション)
- Saturation Type
- サチュレーションのアルゴリズム。
- Saturation Gain
- サチュレーター段の前に適用されるゲイン。
Delay & Feedback (ディレイ & フィードバック)
- Delay Time 0
- ディレイ 0 のディレイ時間。ミリ秒 (ms) 。
- Delay Time 1
- ディレイ 1 の相対的なディレイ時間。 Delay Time 0 に対する比率。
- Input Blend
- 1 チャンネルあたりに備えられた 2 つのディレイへの入力比。 ShockFlanger はステレオで動作するので 2 * 2 の計 4 つのディレイを持つ。 Input Blend は左右のチャンネルで同じ値が使われる。
- Flange Blend
スルーゼロフランジャーとフィードバックディレイネットワーク (FDN) の切り替え。
0.0: サイズ 2 の FDN 。1.0: スルーゼロフランジャー。
- Flange Polarity
- スルーゼロフランジャー経路のフィードバック極性。値が正確に
-1.0または1.0でなければ、全波整流された信号がミックスされる。
LFO
- LFO Rate
- LFO 周波数。単位は拍(beats)。同期速度は Tempo Sync. の設定に準じる。
- Initial Phase
- LFO の初期位相。
- Stereo Phase
- 左右の LFO の位相差。
- Reset LFO Phase
- 押し続けることで LFO を Initial Phase にリセット。
Modulation (変調)
ここでは入力信号とフィードバック信号によるディレイ時間の変調のことをオーディオ変調と呼びます。
- Tracking
- LFO によるディレイ 1 のディレイ時間の変調量。単位はオクターブ。
- Audio Mod Mode
オーディオ変調を行う信号をクロスフェード。
0.0: サチュレーターを通った入力信号。1.0: ローパスフィルターを通ったフィードバック信号。
- Viscosity LP
- オーディオ変調に使われるフィードバック信号が通るローパスフィルターのカットオフ周波数。 Audio Mod Mode が 0 より大きいときだけ有効。
MIDI
- Receive Note
- MIDI ノートの受信を切り替え。
- Note Pitch
- MIDI ピッチによるディレイ時間の変調量。
- Note Gain
- MIDI ベロシティによるサチュレーター前段のゲインの変調量。
更新履歴
- 0.1.0
- 初版。